長めの独り言置き場

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20代ゲームファンがSwitchでのゼルダの伝説BotWのプレイを経て見つめ直す家庭用ゲームの変遷・上

8月頃から、ゼルダの伝説ブレス・オブ・ザ・ワイルドのマスターモードをプレイしていた。

歴史的大作といえるこの作品のプレイを経て、自分が見てきた家庭用ゲームの変遷について今思う諸々のことを整理する機会にもなりそうなので、私個人のBotWの感想と交えつつ、気が済むまで書いていこうと思う。

尚、前半となるBotWの感想は、BotWをプレイしていないとちんぷんかんぷんな話だと思うので、後半は別の記事として分けることにする。

 

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総プレイ時間はおよそ305時間

 

BotWが発売したのは今年、2017年の3月。

半年以上経ってからまとまった感想を書くのも今更ではあるが、率直に言って、ノーマルモードのBotWはヌル過ぎて全く手応えがなかったことは、まず触れておく。

ゼルダの伝説シリーズにおいて難易度について議論がなされる場合、謎解き要素の難解さにフォーカスされる場合があるが、今回は、主にアクションゲームとしての難易度にフォーカスして話していく。

まぁ、そうとは言っても、8月にマスターモードのプレイに取り掛かり始めて、現在は10月なので、2ヶ月近く間が空いているのは、いずれにしても遅すぎるだろう。

言い訳としては、PSVITAでUNDERTALEを並行してプレイしていたことと、マスターモードを結果的に2周することになったことが理由である。

マスターモードの1周目では、通常のメインルートの全ての神獣を解放した後ガノンを討伐するオーソドックスな攻略と、剣の試練という、過去作からお馴染みである、回復アイテムや消費アイテムの補給を制限されながら、段階的に熾烈さを増していく戦闘を最下層まで続けていくコンテンツの攻略に着手。

剣の試練は、今回、新規コンテンツとして追加されたものなので、ノーマルモードを既にクリアしていながら、マスターモードでまた初めからプレイするにあたっての主目的として据えていた。

その剣の試練の感想はというと・・・及第点・・・といったところか。

序位の攻略に取り掛かり始めたときは、思った以上に手こずりそうな感触で、これは舐めてかかってはいけないと腹を括ったのだけど、このゲームの仕様上、結局のところ、装備が貧弱である程状況が厳しく、装備が豊富である程・・・どうとでもなってしまう。

これは、始まりの台地や、無人島の祠チャレンジでも同じように感じるところであり、剣の試練が特にそうだったかもしれない。

なんやかんやで強力な武器が普通に集まっていってしまうから・・・。

最もミスが多かったのは序位の中盤までで、中位、極位ではほとんどミスすることはなかった。

ガッツ素材やマックス素材は1つの素材からの調理でも完全回復の効果は得られるので、調理法次第で素材活用の効率が良くなるとか、古代兵装・矢は敵を一撃で消滅させるので、ライネルのような最上級の攻撃力とHPを持つ敵に対処する為に備えておけば、危険な敵はローリスクで回避でき、但し敵がドロップする強力な武器は諦めることになるなどといった、プレイヤーの知恵と機転を試す要素があるのは、このゲームの仕様において適切な設計になっていたとは思うけれど・・・

プレイヤーの装備が豊富になってきたところで、備えを全て出し尽くすことも厭わなくなるような、プレイヤーをぶちのめすことしか考えてない階層が幾つかあっても良かった。

メインルートの攻略については最後にまとめて言及するとして、2周目ではどういったプレイをしたかというと、防具を全て完全強化するやりこみプレイに着手した。

ノーマルモードをプレイしているときも、防具強化の要素が1つのやり込み要素なのだろうとは思っていたが、ひたすら素材を集めるのはどう考えても単調な作業になると断じて手を付けなかった。

マスターモードは、全体的なゲームプレイがある程度は手応えのあるものになり単純に楽しかったので、BotWの世界と付き合えるだけ付き合おうという意欲も湧いて、着手することに決めた。

結論から言うと、全防具完全強化のやり込みプレイには満足できた。

個人的に、オープンワールドのゲームプレイにおいて、この世界に付き合えるだけ付き合っていたいとか、この世界の中で振り回されたいという感覚が、最も求めているものかもしれない。

実のところ、私はPS3PS4も所有していながら、近代のオープンワールドのゲームはほとんどプレイしておらず、自分の中でオープンワールドでの有意義な体験として模範となっている体験は、Grand Theft Auto Vice City (PS2)まで遡る。

我ながら原始的過ぎる気もするが、近代のオープンワールドのほんの一地域程度の広さにも満たないかもしれないヴァイス・シティで、ピザ屋のスクーターを乗り回しフリスビーのように客にピザを放り投げ、軍用ヘリを飛ばして一般車両の巻き添えも意に介さず犯罪者の車両を上空からミサイルで吹き飛ばし、攻略サイトを見て主にテキストで在り処が説明される各地の隠しアイテムを見つけては宝探しのような無垢な喜びを感じたりしながら、クリア率100%を目指して東奔西走していた原体験が、今も、シームレスに往来できる立体的なフィールドで自分が時間を過ごす意味として、最も有効に作用するのだ。

また、そういったプレイにおいて重要なのは、やり込みの過程で、その先のやり込みに役立つ報酬があること。

GTAVCではHPの上限が増えたり、炎によるダメージを受けなくなったり、強力な武器や車両がアジトに配備されたりというのが該当する。

BotWでは、防具にセットボーナスというものがあり、頭・胴体・脚部の3種に分かれた防具をそれぞれ一定の段階まで強化することでアンロックされる。

そのセットボーナスが、定量的な効果ではないユニークなものが結構あって、それぞれ適した場面で活用したくなるのだ。

ノーマルモードではほとんど使っていなかったクライムシリーズは、崖登り中ジャンプのスタミナ消費量が少なくなるというセットボーナスで、スタミナ縛りをしていたのもあり、かなり魅力的だった。

後で書こうと思っていたが、2周目ではハート・スタミナ・ポーチを初期状態に制限して攻略していた。

その為、息吹の勇者シリーズマスターソードのビーム強化というセットボーナスは、ハートが3つしかないので必然的にマスターソードは未所持であり、この効果については未確認・・・少々惜しまれる。

他にも、炎無効、雷無効、凍結無効などの若干チート的なセットボーナスは、全体を通してのゲームプレイで、それ程多くはないが厄介な特定のシチュエーションで強気になれる解放感がある上、ドラゴン系の素材集めの際にも作業を非常に捗らせてくれる。

何より、緻密に作り込まれたドラゴンの動き、物量感や躍動感を間近で感じられることは、BotWの世界において純粋にプレミアムな価値があるのだがら、ゲーム的なルールを遵守しているかなど、言ってしまえばどうでもいいのだ。

そもそも私は、3Dの広大なフィールドで、プレイヤーの遊び心が赴くままに遊ばせることを標榜するオープンワールドにおいて、チート・・・ゲームシステム上の制約を逸脱してしまうことに、むしろ肯定的でさえいる。

「できないことが、できるって、最高だ。」という某キャッチコピーなんかはまさにそんなことを言っているように思えて、評価している。少々話が逸れた。

ただ、そういったことが無条件にできてしまうのではなく、報酬としてアンロックされることに個人的には満足感が得られるというのは付け加えておきたい。

メインルートの攻略については、先述したように、2周目でハート・スタミナ・ポーチを初期状態に制限したことからも窺えるだろうが、1周目ではマスターモードでもヌルいと感じた。

というか、ノーマルモードがイージーモードで、マスターモードがノーマルモードなんじゃないかという・・・

たらればの話はしたくないのだけれど、初見時からマスターモードでプレイしていたら、素直にマゾゲーマー心に火が点いていたかもしれない。マスターモードは発売時から実装しておいてほしかった。

その上でハードモードを用意するとしたら、敵の攻撃力やHPを調整するのではなく、属性付きの武器や矢を使用する敵が一層増えるなど、ギミックの面でゲーム性の幅を広げたり・・・この辺にしておこう。

BotWに限らず、近代のビデオゲームにおける難易度について思うことは、今後1つの記事にまとめてもいいかもしれない。

話を戻して、ハート・スタミナ・ポーチを初期状態に制限した場合ではどうだったかというと、それなりに丁度良くなったと思っている。

ハートとスタミナに関しては、マックス素材やガッツ素材のマネジメントがゲームの進行度によって変わっていく楽しさがあると思ったので、最終的には制限する意味はあまり無かったと判断したけれど、ポーチは初期状態のままにしておいたことで緊張感が増して良かった。

BotWは、戦闘時のリアルタイムな武器のマネジメントが非常に有機的で、武器ごとの強さや壊れやすさを常に意識しながら、廃棄のタイミングを見定めつつ高所にいる弓兵などに対する投擲物としての使用、雷属性の武器や矢がある場合はHPの多い上級の敵から強力な武器を強制的に奪えたり、武器を使い切ってしまったとしても必ずしも窮地ではなく、ガードや回避の不自由さと引き換えに、高所から飛び降りながら狙いを定めることで発動するスローモーションの状態で、弱点への連撃が狙えたりなど、場合によっては武器よりも遥かに強力な弓もある。

こうしたリアルタイムのゲーム性を考えれば、武器は常にフィールドとポーチの間を循環するべきであると思った。

この、武器を敵から奪ったり、投げつけたり、取り返されたりする仕様は、初見時からゼルダの伝説風のタクトを彷彿とさせられている。

私はゼルダの伝説シリーズの中で、風のタクトにおけるプレイヤーとフィールドの有機的な関係性が気に入っていて、BotWではその思想が拡張されているように感じている。風タクでやりたかったことに再挑戦しているんだろうなぁ、と。

ブーメラン型の武器や盾サーフィンにもそんなマインドを感じていて、この二つの要素はBotWの中で大好きな要素である。

 

 

次の記事へ続く